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伝統生地バティックとウェスタンテイストの融合 Vespertine(ヴェスパタイン/シンガポール)

シンガポールで、インドネシアの伝統布地Batik(バティック)を用いて、現代のシンガポール女性に好みに合わせたモダンなファッションを提案するブランドが増えています。前回のGypsied(ジプシード)に続き、バティックにウェスタンテイストのデザインを融合させたオリジナルのクロップトップスやツイストトップスなどが人気の、Vespertine(ヴェスパタイン)のブランド創業者兼デザイナーのEmmanuelle Chiau(エマニエール・チャウ)氏にお話をうかがいます。

—— バティックに興味を持ったきっかけは?

私は父親が中華系シンガポール人、母親がフランス人なのですが、母親がバティック好きで、クッション、テーブルクロス、タペストリー…と、家の中はバティック柄に溢れ、小さい頃から常にバティックに囲まれた生活でした。その影響で、私も物心ついたときからバティックに関心を持っていました。

—— ブランドを立ち上げることになった契機は?

ファッションに興味があり、フランスで(視覚情報によるデザインの)ビジュアルコミュニケーションを学びました。その後、フランス・パリのファション業界で、マーチャンダーザー(MD)として10年以上働き、シンガポールに戻りました。ファッションには興味があるものの、本当にやりたい仕事は何なのか、ずっと答えが出せないでいました。その後、私生活で出産を経験。原点に立ち返ったとき、フランス人のバックグラウンドやフランスで培ったスキルを生かして、バティックに新しい風を吹き込めないか、という発想が浮かんできました。そうして2017年に立ち上げたのが、ヴェスパタインです。

—— どのようなコレクションを発表していますか?

最初のコレクションは、日本の着物からインスピレーションされたワンピース でした。 背中が大胆に開いたウェスタンテイストの無地のワンピースに、鮮やかなバティックのベルトを着物の帯のように取り入れました。2019年コレクションのツイストトップスは、オリジナリティのあるデザインで大ヒットとなりました。巻きつけて着用しますが、前からも、後ろからもシルエットを大変美しく見せることができます。同じく2019年コレクションの、ジャワ島西部のガラットバティックを使ったロングワンピースもベーシックなデザインで、幅広い層に受け入れられています。それぞれ同じデザインの柄違いを2〜5種類展開しています。

ハンドメイドバティックのツイストトップ $92
ジャワ島西部のガラットバティックを使ったコットンのワンピース $136
2020年コレクションの型押し技法で作られたガルタン柄のコットンワンピース $159

—— 鮮やかな色のバティックが多いですね。

はい。バティックの生産には手描きと銅製のスタンプによる型押しの技法がありますが、ヴェスパタインは両方のバティックを扱っています。私自身が一番好きなのは、中央ジャワ地方の古都ソロで作られた伝統的な花柄のバティックですが、お客さんの趣向にも合わせ、幅広い地域、柄・色のバティックで商品を作っています。

—— 商品はどこで生産していますか?

バティックは中央ジャワ地方のパートナーから仕入れ、商品はバリ島のパートナー拠点で生産しています。日々のSkypeでの打ち合わせに加え、2、3ヶ月に1回は出張して、年1回のコレクション発表の準備をしています。バリ島のパートナーはヴェスパタインのブランド背景をよく理解してくれているため、非常に円滑に仕事を進めることができています。

—— 今後の目標を教えて下さい。

ヴェスパタインはインターネット販売ですが、展示に参加したり、ほかのブランドと連携して常連向けのオープンハウスなども開いています。現在の顧客は8割が中華系シンガポーリアンで、年齢は20〜45歳くらいが中心です。今後も幅広い人に知ってもらえるように活動していきます。

ブランド情報

Vespertine
バティック生地を使った服飾雑貨等のインターネット販売

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