グローバルな大手ファストファッションブランドの東南アジア進出が進んでいます。すでに大手が根付くシンガポールから、最近進出が始まったベトナムまで、状況はそれぞれながら、若者の中でファストファッションブランドは選択肢の一つとして定着しつつあります。スナップ撮影やインタビューでも、好きなブランドでファストファッションの名前を挙げる人がとても多く見られます。
今回は、主な大手のファストファッションブランド、UNIQLO(ユニクロ)、ZARA(ザラ)、H&M(エイチ&エム)、MANGO(マンゴ)、FOREVER 21(フォーエバー21)、Bershka(ベルシュカ)、TOPSHOP(トップショップ)、COTTON ON(コットンオン)の店舗数を調査しました。
シンガポール | マレーシア | タイ | フィリピン | インドネシア | ベトナム | |
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UNIQLO (日本) | 28 | 49 | 50 | 58 | 26 | 2 |
ZARA (スペイン) | 21 | 21 | 23 | 9 | 67 | 2 |
H&M (スウェーデン) | 11 | 39 | 30 | 40 | 41 | 8 |
MANGO (スペイン) | 9 | 15 | 12 | 33 | 15 | 10 |
FOREVER 21 (米国) | 1 | 4 | 0 | 8 | 3 | 0 |
Bershka (スペイン) | 3 | 2 | 1 | 4 | 8 | 0 |
TOPSHOP (英国) | 3 | 10 | 7 | 8 | 5 | 3 |
COTTON ON (豪州) | 5 | 2 | 4 | 5 | 4 | 1 |
※UNIQLO店舗数は2019年8月期ファーストリテイリング社決算資料とHP、その他は2020年1~3月に各社HPより確認
各社、東南アジア最初の出店地に選んだのが、シンガポール。ZARAは2002年、UNIQLOは2009年、H&Mが2011年に東南アジア地域初の店舗を開業しています。シンガポール進出後は、東南アジア諸国へ展開。ZARAはシンガポール進出翌年の2003年にマレーシア、続いて2005年にフィリピン、タイ、インドネシアに進出。UNIQLOも、シンガポール進出翌年の2010年にマレーシア、2011年にタイ、2012年にフィリピン、2013年にインドネシアに進出しています。
すでに一定の店舗網が敷かれたシンガポール、多店舗展開の段階に入ったタイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアに対して、近年、進出ラッシュで注目されているのがベトナムです。2016年にZARAがベトナム市場に参入すると、2017年にH&M、2019年にCOTTON ONとUNIQLOの進出ラッシュが続き、現在は、各社が多店舗展開の機会をうかがっています。
一方で、早くからベトナム市場で展開していたMANGO(2004年進出の)は店舗数で上回るものの、新興勢力に押され気味です。また、ベトナム市場参入の際には、各社が首都ハノイではなく、南部最大都市のホーチミンを1号店に選んでいます。
6億3千万人の人口を抱える東南アジアでは、ファストファッションを含む外資の大手アパレルブランドの進出に加え、自国のアパレルチェーンやデザイナーズブランド等の成長も加速しています。今後の展開に注目です。