ローカルブランドのデザインマスクに注目

Singapore

ローカルブランドのデザインマスクに注目

世界的な新型コロナウイルスの流行で、外出時にマスクの着用を義務付ける国が増えています。こうした状況を受けて、シンガポールでは、ローカルファッションブランドがそれぞれのブランドの特徴を生かしたデザインマスクのオンライン販売に乗り出しています。

アフリカンプリントの綿生地を使った服やアクセサリーを販売するOliveAnkara（オリーブアンカラ）は、衣服を作るために使用した生地の端切れでマスクの製造を始めました。マスクは市販のサージカルマスクの形状に合わせて設計。内側にサージカルマスクをはめ込むポケットを備えて、マスクカバーとして使用できるようにしています。価格は19 SGD（約1,500円）。大人用と子供用のサイズを用意しています。

オリーブアンカラは、ナイジェリアの家族に生まれ、イタリアで育ったUbby（ウビー）氏が2017年にシンガポールで創設したブランド。豊かな歴史と深いルーツを持つアフリカ文化をシンガポールに広めたいとの思いで立ち上げました。今回のマスクの販売について「世の中が少し暗い時期に、アフリカンプリントで明るさをもたらせたら」（ウビー氏）と話します。

また、マスクの売上10％を移民労働者などを支援する地元の団体に寄付する慈善活動も展開しており、これまでの寄付総額は約1,700 SGDにのぼるといいます。

バッグや小物などを販売するCOCOONESEも、通気性が良く軽量な綿生地を使ったマスクカバーの販売を開始。側面から挿入したサージカルマスクをカバーに固定して使用します。カバーに耳ループはついておらず、挿入したサージカルマスクの耳ループを引き出して装着する設計です。洗濯が可能で、繰り返し使用することができます。

花柄や動物柄などが中心で「お気に入りの柄を選んで、自分だけのマスクを楽しんでもらいたい」（COCOONESE）と話します。価格は柄によって異なり12.90-15.90 SGD（約1,000-1.250円）。現在、インターネット通販で40種類ほど展開しています。

インドネシアを中心とした東南アジアの伝統生地「バティック」を使った衣料品などを販売するMakerly Singapore（メーカリーシンガポール）は、バティック生地を使ったマスクを展開しています。

メーカリーシンガポールは、創業者兼デザイナーのXinyi（シンイー）氏が伝統的なバティック生地に魅せられて立ち上げたブランドで、バティック生地のウィメンズ・メンズラインの衣料品を扱います。今回は、シンガポール航空のユニフォームでおなじみのバティック柄のマスクなどを9 SGD（約700円）で販売しています。

多国籍国家のシンガポールで、ムスリム女性向けのオーダーメイドドレスなどを手がけるSUFYAAは、伝統織物「ソンケット」を使ったマスクを販売しています。ソンケットはマレー語で金糸・銀糸を使った華やかな織物という意味をもち、マレーシアなどでは腰に巻きつける「サロン」としてよく用いられています。

今回のマスクは、ソンケットの美しいパターンを生かしつつ、身につけやすさも重視。鼻部分に膨らみをもたせ、顔まわりにフィットするデザインに仕立て、またヒジャブの上からでも装着できるよう、ゴムを頭のうしろにまわして使うバックループ式やタイバック式に設計されています。価格は15〜20 SGD（約1,200-1.550円）。