Singapore

伝統生地バティック×モダンなファッションブランド Gypsied(ジプシード/シンガポール)

インドネシアの伝統衣装に使われる布地、Batik(バティック)を使った服やバッグを展開するシンガポールブランド、Gypsied(ジプシード)。伝統布地のバティックを、現代のシンガポール女性の好みを取り入れた、モダンでスタイリッシュなデザインのバッグや服にして展開しています。

ブランド創業者兼デザイナーのAqilah(アキラ)氏に、ブランドについてうかがいました。

——ブランドの創業はいつですか?

2012年です。当時は経営学を専攻する大学生でしたが、何か新しいことに挑戦したい、自分の手で何か作り出したいという思いから色々な可能性を探り、たどり着いたのがバティックを使ったブランドでした。スモールビジネスから始めました。ジプシード初の商品は、私自身の手で作ったシンプルなクラッチバッグです。縫製を教えてくれたのは父親でした。インターネットが活況な時期だったので、ウェブ販売を活用しました。自分の手で、ブランドを立ち上げ、商品を作り、販売するという一連の作業は、学んでいた経営学を実践の場に移した「テスト」のようで、とても貴重で心躍る体験でした。

——なぜバディックを選ばれたのですか?

私自身はシンガポールで生まれましたが、祖先はインドネシアのジャワ島です。私が生まれる数年前に亡くなった祖母が、ジャワ島が起源とされるバティックをこよなく愛していたといいます。小さい頃から、よく話を聞いていました。祖母は、時代が変化し、社会が現代化する中でも、バティックに誇りとこだわりを持って身に着け続けたそうです。私がバティックを扱うことは、自分のルーツを追求することにもつながると思い、バティックをメーンにしたブランドにすることを決めました。

——ご自身も小さい頃からバティックに親しまれていたのですか?

シンガポールには、イスラム教徒のラマダンの断食明けを祝う「ハリ・ラヤ・アイディルフィトリ」というお祭りがあります。ハリ・ラヤでは、断食明けのお祝いで新調した服を用意する習慣があり、子供の頃、父親がよくバティックの服を買ってくれました。美しい色合いに、繊細な絵柄といった見た目はもちろん、モチーフごとにさまざまな意味合いを持つ神秘性などに強く惹かれました。ブランドを立ち上げるにあたって、特別な日に身につけるバティックを、日常に取り入れられるような商品にすることが一つの目標でした。ブランド創設後、父親からこれなら毎日使えるねと、感想をもらったときには大変感動しました。

——ブランド名の「ジプシード」の由来は?

ヨーロッパで生活している移動型民族「ジプシー」が由来です。既存の枠にとらわれわれず自由に生きる人々の象徴であるこの言葉をブランド名に選びました。

中央ジャワ地方のバティックとカーフレザーをミックスしたトートバッグ $159.90

——ジプシードの商品の魅力は?

伝統のバティック生地を使いながら、現代のシンガポーリアンが普段から取り入れられるデザインに仕上げている点です。

——ジプシードの商品はどのように生産していますか?

デザインはシンガポールで私自身が手がけています。生産については、インドネシアの中部ジャワに、それぞれバティック布地を手がけるパートナーと、布地からバッグや服を仕立てるパートナーがいます。

現地に何度も足を運び、ブランドの理念を理解してくれるパートナーを見つけました。年に何回か出張しますが、普段はシンガポールとインドネシアで離れているため、オンラインで密にコミュニケーションをとるよう心がけています。

(右)中部ジャワ地方の女性職人が手がけたバティックのクラッチバッグ $119.90

——バティックの生産について教えて下さい。

バティックを作る技法は、手描きと型押し(ハンドスタンプ)の2通りあります。ジプシードが採用しているのは手描きです。職人がキャンティングと呼ばれるペン状の道具に蝋を入れ、模様を描き、模様の部分に染料が入らないようにして染め上げる伝統的な技法で、より熟練の技が必要です。ハンドスタンプは、銅製のスタンプで型押しして模様をつける技法です。染色後に、洗浄、乾燥、仕上げのワックスという手順を経て、布地ができあがります。バティックに複数の色がある場合は染色、洗浄、乾燥のプロセスを複数回繰り返します。

——バティック生地の完成にはどれくらい時間が掛かりますか?  

デザインの複雑さや使用する色の数により異なりますが、だいたい1〜3ヶ月です。染色、洗浄後の乾燥作業は天日干しになるので、天候にも左右されます。

バティック発祥の地とされる中央ジャワ地方ソロのバティックのコットンジャケット $149.90

——ジプシードの主要顧客は?

30代以上のシンガポール女性が中心です。コレクションごとに購入してくださるリピーターの方も多いです。ありがたいことに、新しいコレクションを発表すると、初回の出荷で約8割は売り切れます。

——今後の目標は?

一番は、ジプシードの活動を通じて、後世にバティックの文化を引き継いでいくことです。ビジネス面では、シンガポール以外の販路では、現在、アラブ首長国連邦のドバイに販売代理店がありますが、チャンスがあればより幅広くジプシードの存在を知ってもらいたいです。

ブランド情報

<GYPSIDE>
バティック生地を使った服飾雑貨等のインターネット販売

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